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「アレンジメントの歴史:オランダの魅力」

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フラワーアレンジメントは、単なる花の飾り方に留まらず、文化や時代の影響を受けてきたアートの一形態です。

ここでは、ヨーロッパスタイルのアレンジメントの基となったダッチスタイルに焦点を当て、その魅力と進化を見ていきたいと思います。ダッチスタイルとはオランダのアレンジメントを指してこのように呼ばれています。

オランダは特に花の交易において重要な役割を果たしてきた国であり、その花文化は黄金時代と言われる17世紀に確立されました。この時期には、独自のフラワーデザインが生まれ、今日のアレンジメント技術に大きな影響を与えています。

さらに、現代におけるオランダ流のアレンジメント技術や、世界への影響、トレンドについても触れています。この情報を通じて、アレンジメントの美しさだけでなく、その奥深い歴史に触れることで、より豊かな視点を持っていただくことに繋がれば嬉しく思います。


アレンジメントの起源と発展

フラワーアレンジメントは、文化や美的感覚の表現手段として、古代から発展を続けてきました。

その起源は、宗教的な儀式や祭りに用いられる花の使用にさかのぼります。

古代社会では、花は神聖なものとされ、特定のイベントや儀式の際に特別な役割を持たされてきました。

こうした背景を踏まえると、フラワーアレンジメントはただの装飾にとどまらず、深い文化的意義を持つことがわかります。

古代から中世のフラワーアレンジメント


古代エジプトの時代には、花は神に捧げる供物として使用され、多くの遺跡や壁画にもその様子が描かれています。特にハスの花は、生命の象徴として重要な意味を持っていました。

また、古代ギリシャやローマにおいても、花は神聖視され、祭典や祝い事に利用されました。例えば、古代ローマでは、トウモロコシの花を用いた冠が儀式や祝賀行事で用いられたとされています。

その後、中世ヨーロッパでは、キリスト教が広がるにつれて、フラワーアレンジメントのスタイルや意義が変化していきました。教会の祭壇装飾や宗教行事の場で、美しい花が用いられるようになり、これによってフラワーアレンジメントはより儀式的なものへと変わっていきました。特にバラやユリといった花が、宗教的な象徴として重要視されるようになり、これらの花を使ったアレンジメントが一般的になりました。

また、中世の庭園では、香りや色彩を重視するようになり、観賞用の植物が多く育てられるようになりました。この時期のフラワーアレンジメントは花々が自然のままに配置されることが多くシンプルさが特徴でした。

さらに、花の香りも重要視され社交の役割を持ち、家庭でもアレンジメントがみられるようになっていきました。

このように、古代から中世にかけてのフラワーアレンジメントは、宗教的背景や文化的な価値観に深く根ざし、多様なスタイルへと発展しました。アレンジメントはただの装飾ではなく、時代や社会の変遷を映し出す重要な要素としても捉えることができます。こうした歴史を踏まえつつ、オランダにおけるアレンジメントの進化をみてみましょう。


オランダにおけるアレンジメントの進化

オランダはその豊かな花文化と花の交易の歴史で知られています。

トルコからもたらされた一本のチューリップから栽培が始まり量産出来るようになると、アレンジされるようになります。

17世紀の黄金時代には、花のアレンジメントが芸術的な表現方法として発展し、国際的に影響力を持つ花のデザインスタイルが確立されました。

そうしてオランダは西洋のフラワーデザインの中心地としての地位を確保しました。本記事では、オランダにおけるアレンジメントの進化を、花文化と交易、そして黄金時代におけるフラワーデザインの革新の観点から詳しく探ります。

オランダの花文化と交易


オランダの花文化は、国の地理的特性や歴史的な経済環境に大きく影響を受けています。オランダの肥沃な土壌と栽培技術で、多種多様な花や植物が育てられていきました。特にチューリップが国を代表する花として知られるようになりました。16世紀から17世紀にかけて、オランダは商業の中心地として発展し、東インド会社などの貿易企業が活躍しました。この時期、海外からさまざまな植物や花が輸入され、国内の花文化は豊かさを増していきました。

さらに、オランダ国内での交易も盛んとなり、花市場が発展。アムステルダムにあるフラワーマーケットは特に有名で、商人たちは新しい花品種を取り扱うことで競争を繰り広げました。この高まる需要は、フラワーデザインやアレンジメントの発展を促し、花の取り扱い方や装飾技術に新たなスタイルが生まれる背景となりました。

黄金時代とフラワーデザインの革新


オランダの黄金時代(17世紀)は、芸術、商業、科学が栄華を誇った時代であり、特にフラワーデザインにおいても重要な革新が見られました。画家たちの作品には栄華な花のバリエーションが描かれ、これがさらなるインスピレーションを与えました。その中でも特に注目すべきなのは「ダッチスタイル」と呼ばれるアレンジメント技術です。このスタイルは、色彩や形の調和が大切にされました。

ダッチスタイルのアレンジメントでは、花材の多様性を生かしながら、デザインに独自のリズムとバランスを持たせることが求められました。花を扱う技術は高く、オランダ国外にも広まり、フランスやイギリスなどヨーロッパの国々のデザインスタイルにも影響を与えることとなりました。

また、フラワーデザインは単なる装飾にとどまらず、社会的地位や富の象徴としても機能しました。

まず始めは、王家による国家間の歓待の際に用いられ次第に広まっていきました。ついで名士たちの家に、見事な花のアレンジメントが施され、訪問客を迎えるための重要な要素となりました。このように、オランダのフラワーデザインは商業活動と社会文化の密接な関係を反映し、その後のアレンジメント技術の発展にも大きく寄与しました。

日本との交易により影響を受けたスタイルも出てきましたそれまで主流だった左右対称の形(クラッシックスタイル)から生け花の影響で左右非対称の形(フリースタイル)が出現したのです。

クラッシックスタイルとは、左右対称の形で、主に面で構成されるのが特徴のスタイルです。

リースやツリー、丸い形のベースアレンジが流行し、

階段の左右、暖炉の上などに対で置かれるのが主流でした。

その後、日本との交易で生け花の影響を受けた「フリースタイル」と呼ばれる左右非対称の形もうまれていきます。

主に面で構成される形から、線を生かした表現が加わりました。

ダッチスタイルのアレンジメントも特徴として

花だけなく葉や枝もの、野菜、果物、苔に至るまで幅広く植物を用います

現代のアレンジメントの特徴

現代のフラワーアレンジメントは、過去の伝統を踏まえつつも、個々のクリエイティビティや最新のトレンドを反映した独自のスタイルを持っています。特にオランダ流のアレンジメント技術やその背後にある文化的な影響は、世界中に広がってきています。さらに、グローバルな視点から見ると、異なる文化やトレンドが融合し、新しいタイプのアレンジメントが生まれています。この章では、オランダ流のアレンジメント技術と、その影響を受けたグローバルなトレンドについて詳しく見ていきます。

オランダ流のアレンジメント技術


オランダは、フラワーデザインの発展において重要な役割を果たしてきました。特に、オランダ流のアレンジメント技術は洗練されており、花の美しさを最大限に引き出す方法として評価されています。このスタイルは、「ダッチスタイル」として知られ、シンプルかつエレガントなライン使いが特徴です。また、この技術は特にバランスと調和を重視しており、使用する花材の選定や配置にこだわりがあります。例えば、色彩のコントラストやテクスチャーのバランスが考慮され、視覚的な魅力だけでなく見る人の感情に訴えかける魅力があります。

さらに、オランダでは四季折々の花を使用しそれぞれの季節の特徴を表現することで、自然との調和を意識したデザインが多く見られます。また、オランダのフラワーフェスティバルやコンペティションは、世界中から多くのデザイナーや愛好者を惹きつけ、常に新しいアイデアが生まれる場にもなっています。10年に一度の花の祭典「フロリアード」は街中が花で装飾されます。

このように、オランダ流のアレンジメント技術は文化的な伝統を持ちながらも、常に変化し進化し続けています。

グローバルな影響とトレンド


現代のフラワーアレンジメントは、オランダだけでなく、世界中の文化やトレンドに影響を受けています。特に、アジアや南米の花の扱いやデザイン技術が取り入れられることで、新しいスタイルが生まれてきています。例えば、日本の「Ikebana」(生け花)の影響を受けたスタイルは、シンプルながらも深い余韻を感じさせ、空間を引き締める効果があります。こうした文化の融合は、アレンジメントのダイナミズムを高め、多様性を持たせる要因となっています。

また、SNSやインターネットの普及により、花のデザインやアレンジメントのトレンドは瞬時に広まり、国境を越えて影響を及ぼしています。特にInstagramやPinterestは、フラワーアレンジメントのクリエイターたちが視覚的なアイデアを共有する重要なプラットフォームとなり、多くの人々がインスピレーションを得る場となっています。このように、視覚的なコンテンツを通じて多様なアレンジメントスタイルが国際的に評価され、実践されるようになったのです。

最後に、持続可能なアートとしてのフラワーアレンジメントも注目されています。エコフレンドリーな花材や再利用可能な容器を使用し、環境に優しい方法でアレンジメントを行うことが、現代のトレンドの一環として強調されているのです。

苔のようにアレンジメントに使用した後も根付き増やしたりできる素材を使うことなどもその例です。

このような取り組みは、アーティストやデザイナーに新たなクリエイティブな挑戦をもたらし、フラワーアレンジメントの世界をさらに発展させています。

オランダのトップデザイナーが発表するアレンジメントは翌年の流行に繋がるため、オランダは花の先進国と呼ばれています。

世界の今を表すダッチスタイルアレンジメントに触れてみてはいかがでしょうか?

ぜひ、豊かな歴史と文化に裏打ちされたアレンジメントを楽しんでいただけたらと思います。

この記事の著者

羽生 享子

オランダ人マスターフローリストからダッチスタイルを学び、グリーンを生かした癒しのフラワーアレンジメント教室を20年以上開講。苔を用いた独自のスタイルを確立し幅広いアレンジを楽しむ。また、経験のない人も楽しめる葉っぱや草花アレンジをInstagramで紹介中。フォトスタイリングを生かした写真講座や商品撮影も注目されご依頼にも応じている。

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